先日は、JIA日本建築家協会建築展16の2013年度JIA新人賞受賞者の講演会に行きました。矢板久明・矢板直子さん(矢板建築設計研究所)と長田直之さん(ICU一級建築士事務所)の2組の受賞者でした。北九州市のAIM2階特設会場で音響環境が悪く聞きづらくちょっと残念だったのですが、普段は聞けない全国レベルの建築家の設計プロセスを断片的かもしれませんが知ることができました。
IMG_4379矢板さんの「PATIO」について、スライドで紹介していただきましたが、不思議だったのが、現地審査で人が写っているのでそのスケールが分かったのですが、ファサードの写真から想像するのとはちがって実際はボリュームが小さい建物だったということです。設計では、「見えざる関係=オーダー」という平面や断面の形状がすべて2:3の図形で分割できるという検証を行ったとうことだったのですが、そのプロポーションがもしかしたらスケール感をなくさせていたのではないかと考えてしまいました。このオーダーというカタチの美学によって、人が日常感じるスケール感ではない建物や空間が可能になるのだろうか。また、このオーダーで人がその場にいて心地よさを感じることができるのだろうか。古典的な方法とも紹介されていましたが、改めてオーダーの可能性を感じることができました。
続いて、長田さんの「YO」の設計プロセスは、規模設定した正方形を変形モザイク状に刻んでそれを分解して、再度、その全部の図形をすべて使って、違う平面と高さのボリュームも加えて何案もシュミレーションするという方法でした。はじめは変形モザイクに刻むことやその角度の根拠がどうなんだろうと疑問に感じたのですが、頭の中では読み切れない新しいことを発見するための一つのきっかけとしてこの方法にチャレンジされたのではないかと解釈するとなにか納得することができました。最終的には、長田さんの中にある感性で決まったということを考えると、カタチづくりのきっかけはいろんな方法があって、逆に方法を決めつけてしまうと新たな発見が生まれにくいのかもしれません。
講演では、稀だと思うのですが、一つに案件についてじっくりお話を聞くことでき非常にいい機会を得ることができました。