鹿児島の隼人駅の駅舎。駅についてからは気づかなかったけど、打合せが終わり電車の待ち時間にうろうろしていると何気ないけど深ーい感じの建築デザインを発見しました。3888もともとの駅舎の外壁に竹をたて格子状に並べた外装。竹の1本1本は色あせそして変形はしていますが、整然と並ぶと味わいのある面をつくっています。もとの外壁面には窓や配管などがあり、それを隠すようにリニューアルされています。必要な出入口はそのまま残しながら木製の枠で縁取られています。その壁の前をいろんな人が行き交い、迎え待ちで座っている人もいます。大げさではないけれどそこには人と建築のコントラストがあり、まるで建築が舞台で、主役の人が映し出されているかのようです。建築だけが主張するのではなく、人やそこでの出来事を含めて風景をつくる。建築物はその一役を担っているにすぎないとも言えるかもしれません。背景としての建築。なにか建築の役割の一つをみることができました。
それと、建物のスケールといい、「竹」という日本であればどこにでも見たことがある素材と出入口に掛けてある日本的な「のれん」の使い方がなんとも親しみやすい印象を受けます。周辺の環境や人の意識から遊離せず身近な関係になるようにデザインされている。
メインの出入口の左側に掛けられた年季の入った木製看板も昔から使っている看板のようで、駅舎の歴史を継承しているのかな?などなど、ほかにもたくさんの意味のあるかたちがちりばめられていような魅力のあるデザインです。IMG_3893竹は打った釘のところからひびが入っているけど、自然の素材だし、最悪取り替えることになっても竹自体は手に入りやすいだろうからというところでこのラフさも許せる感じがします。一方、出入口の木枠は床面から浮かしてあり、木が水によって腐らないように配慮してありました。

(後で、調べたところなんとJR九州デザイン顧問の水戸岡鋭治さんのデザインでした)