KHS

    敷地は高台で、西側にまちの景色がひろがります。西日は受けるけれども景色は望みたい。生活の中心となるリビングには軒と壁で囲まれた2m近い奥行きのあるインナーバルコニーをつくり、西日の影響を最小限におさえながらも風景を取り入れることにしました。
    二つの家族のスペースは、共用の玄関を経由し1階と2階に別れる独立した動線を基本にしています。完全な独立でななく、中2階に共有で使える和室をつくりました。それぞれの生活空間に入らないまでもお互いが気兼ねなくつかえる二つの家族の交点のような役割を持たせました。

    • 所在地:長崎県佐世保市
    • 用途:専用住宅(二世帯住宅)
    • 家族構成:夫婦+子供1人、父+母
    • 階数:地上2階
    • 構造:木造
    • 撮影: ー
    • 備考: ー

    KHS高台の二世帯住宅の記録

    共用の和室

    二世帯住宅では、各家族の関係(距離感)をどうするかが大きなポイントの一つです。ここでは、両世帯が独立して生活できることを基本形とし、共用部分をどの程度のものにしていくかを模索しました。階の構成は、これから体力の衰えが心配されるご両親世帯の生活の場を1階に、ご本人世帯を2階に配置しています。1階の玄関は共用とし、そこから親世帯へは直接入り、2階のご本人世帯へは階段を経由して入る動線。その階段の途中に、お互いが使える客間や生活空間の補助的な使い方を想定した和室を提案しました。その和室は、下部に天井高さをある程度抑えられる駐車場かつ玄関前のポーチ空間とすることによって、和室の床高さを2階の床より低い高さ、つまり中2階的な位置に設定できました。和室は、平面のみならず断面的にも両世帯の中間に位置させることで気兼ねなく使えます。また両面に窓を設けた風通しのよい、窓からの景色も他の部屋とは異なる特別な空間でもあり、みんなにとっての離れ的な和室にすることができました。