
老朽化や耐震性への不安がある既存の事務所棟を建て替えるプロジェクトです。規模も既存棟と比べ1.5倍近く拡大し、十分な広さを持つ事務空間や会議室、社員食堂、諸室を備える内容です。計画の重要な課題の一つは、当初のご要望でもあった来客者と工場スタッフ、事務スタッフの動線を分けること。動線ごとに接続する諸室(機能)が異なるため、分けながらも全体として整理することを求められました。
特に、1階の社員食堂・休憩・講堂は、工場と事務スタッフ用の2方向から入室でき、工場側から出入りする工場スタッフ動線にはトイレや更衣室、シャワールームを連なるかたちで配置し、工場作業中や作業前後の身支度を済ませてアクセスできます。2階の事務室には、工場側に屋外階段を設け、工場から直接事務室に入室でき、事務スタッフも内部空間を介さず直接工場側へ外出できます。製造工場のもつ固有性に配慮しながら全体として合理的にまとめた計画となっています。
内部の色彩計画は、華美にならないように素材感を大事にしながら、全体としては外壁色(押出成形セメント板にカラークリヤー)をベースにウォームグレーでまとめ、長時間の執務でもやさしく落ち着いた雰囲気となるように配慮しました。
- 所在地:福岡県北九州市
- 用途:事務所
- 階数:地上3階
- 構造:鉄骨造
- プロデュース & 施工:大同建設株式会社
- 撮影:一整 ※印は当事務所撮影
- 備考:ー















