敷地は住宅が建ち並ぶ角地に位置しています。2方向からの視線が気になることを踏まえ、建物の外壁自体が目隠しの塀になるようなことを発想しました。通り面には大きな窓が要らないような平面構成とし、外部と不連続させることでプライバシーを保つことにしています。この住宅全体のプライバシーと同時に内部もリビングをずらすことで見え隠れするコーナーをつくったり、和室をガラス欄間と障子の組み合わせでやわらかく区切るなど、居場所によってはほどよい距離感を感じる家族間のプライバシーにも配慮しています。
外観は、1階のフラットなボリュームと2階ボリュームが積み木のようにシンプルな形態です。2階の屋根は緩い勾配屋根として全体のボリュームをおさえるのと同時にメンテナンスが必要な樋詰まりなどのトラブルを避ける形状にしています。

KHO角地に建つ住宅の記録

角地にできること

どこかに開放感がえられる方向がないだろうか。敷地は2面が道路に接する角地でしたが、視線が抜けるところを探ります。道路向かいの隣地は2区画分を所有されていて敷地の前方は駐車場や畑として使われていています。一方、宅地つづきの南西方向は道路側が駐車場等のアプローチとなるためすべてが道路と反対側に住宅が並んでいます。特に、宅地つづきの隣地側は土地の区画が変わらない限り、手前が駐車場で奥側に住宅が偏るのは普通に考えると必然的で将来的にも担保されている状況といえます。住宅を配置するにあたって、この2方向に大きな抜けがあるという特徴を活かしながら計画しました。

2方向に大きな抜けがあるといっても、角地でのプライバシーの問題は注視しなければなりません。ここでは、目隠しの塀の役割として建物の1階外壁を見立てて、2面を外壁と板塀によって囲むことにしました。1階のリビングは弱く囲まれた庭越しに抜け方向を向き、2階には道路と隣地越しの遠景まで望める大きな開口をつくることにしました。
敷地にはそれぞれ特性があると思います。ここでは敷地周辺から開放軸といえる「抜け」という特性を読み取り、この特性を住宅の可能性に結びつけることができたとおもいます。