小さな総合病院
OAO 動物病院は、年明けすぐの打合せで仕上げの方向性が決まり、現在は実施設計の終盤です。(白さと木の繊細なイメージ)先日は、医療機器販売店さんとの設置機器の電源等の仕様や給排水の取り合い、機器の使い方、搬入経路などの打合せを行いました。機器は、将来の導入予定まで含めると20種類以上の数にのぼります。動物病院は、診察はもちろん処置、検査、X線撮影、手術室、ICU、入院室(犬舎や猫舎)、調剤までにいたり、まるで小さな総合病院のようです。そのため機器のイニシャルコストは高く、新規開業となると初期負担が大きくなるため運営しながらの導入や中古品の利用などで工夫されているのが現状です。当然、建築コストも同様に余裕はありません。構造は木造とし、1階の床は木床組を無くし直接土間のコンクリートに床を仕上げることや、基礎の立上がりをなくすなど施工的には手間がかかる所はありますが、コストへの影響が大きいと予想できる構造的な範囲をまず押さえています。
今回に限ったことではないのですが、これまでの設計仕様で標準的にはこうだとラインを引いてしまいがちなところをもう少し踏み込んで、これはどういう意味があるのだろうか、こう考えると或はこの場合は必ずしも必要ではないかもしれないなど、判断の精度を高めることを心がけています。建物の用途や目的によって判断しなければなりませんが、まだまだ設計の内容を洗練させていく余地はたくさん残されているようです。