ハイスタンド(電話台)の制作
建築に付属する作り付けの家具はよく設計しますが、単体の家具の設計の機会はそんなに多くはありません。IIW 磯部鉄工小倉工場事務所棟 新築工事にて、クライアントより什器メーカーさんの既製品ではしっくりくるものが見当たらないとのことで建物の雰囲気に合ったものを提案してほしいとのリクエストをいただきました。設計者として、提案した建築空間を尊重していただいたことからきたご要望と素直に受け止めました。非常に有難いことです。
考えたことは、鋳鉄製品を制作されている工場のため、やはり鉄を使うこと。それと対比的に、硬いそして強いイメージの鉄に対して柔らかい、やさしいイメージの素材=木を使うことを思いつきました。

脚となるスチールは細くし、二脚に分けて電話機が載る木の台をバランスよく支え合う。部門ごとに専任された方々が携わるものづくりの現場(工場)であることから、いろんな人が関わり合い、バランスを持って支え合う、そんな意図を込めました。

色彩は、内装に合わせたものを選定。建具やパネル類のダークグレー、そして天井の羽目板の色。同調しながらもほどよい存在感に仕上がりました。

